最終更新日:
2025-06-03
投稿日:
2025-06-03

2025年4月の企業倒産は4年連続で増加しました。

現状の詳細を東京商工リサーチが発表した「2025年4月の全国企業倒産828件」に基づき、お伝えいたします。

目次

2025年4月倒産状況、4年連続増加

出典:東京商工リサーチ

倒産件数と負債規模の動向

2025年4月の倒産件数は828件で前年同月比5.7%増加し、負債総額は1,028億200万円となり前年同月比9.3%減少しました。

前月(3月)の853件からは2.9%減少したものの、年間累計では3,285件(1~4月)で前年同期比5.9%の増加となっています。4月の倒産件数が800件を超えたのは2014年(914件)以来11年ぶりで、今年に入り2月(764件)を除き毎月800件台で推移し、日本企業界の構造的経営難の深刻化を示しています。

小規模企業に集中する倒産構造

負債1億円未満の企業が650件で全体の78.5%を占め、今年最高比率を記録しました。

一方、負債100億円以上の大型倒産は2カ月連続で発生せず、最大負債額はLa Plume Niseko Resort特定目的会社の60億円です。

これは大企業が相対的に安定している一方、中小・零細企業の経営環境が急速に悪化していることを示しており、特に資本力の弱い小規模企業が物価上昇と人件費増加の圧迫に耐えられない状況となっています。

倒産形態別では破産が753件(90.9%)と圧倒的多数を占め、民事再生や特別清算等その他の形態は少数にとどまっています。

業種別・地域別の動向

‍業種別

2025年4月 産業別倒産状況
出典:東京商工リサーチ

10産業のうち6産業で前年同月を上回りました。最多はサービス業他の292件(35.2%、前年同月比10.6%増)で7カ月連続増加となり、全倒産の35%以上を占める最も脆弱な業種として浮上しています。小売業106件(32.5%増)が3カ月ぶり、建設業152件(4.1%増)が2カ月ぶり、運輸業38件(15.1%増)が5カ月ぶりに増加しました。情報通信業34件(3.0%増)は4カ月連続の増加を記録しています。

特に注目されるのは農・林・漁・鉱業の12件(300%急増)で、耕種農業が2件から5件、畜産農業・園芸サービスが0件から3件にそれぞれ急増しました。一方、減少業種では卸売業85件(12.3%減)と不動産業20件(13.0%減)が2カ月連続減少、製造業88件(12.0%減)が8カ月ぶり、金融・保険業1件(75.0%減)が3カ月ぶりに減少しています。

地域別

地区別では9地区のうち関東地区(277件、12.0%減)を除く8地区すべてで増加傾向を示し、特に地方経済の困難さが際立っています。近畿228件(20.0%増)、北海道26件(30.0%増)、四国22件(100%急増)、九州84件(6.3%増、8カ月連続)の4地区は今年最多記録を更新しました。中部88件(3.5%増、7カ月連続)、東北52件(30.0%増)も堅調な増加を見せています。

今後の見通し

当面は倒産件数が減少に転じる好材料が乏しく、現状の「緩やかな増加局面」が続く見通しです。

中小企業にとって最大のリスクは「トランプ関税」で、帝国データバンクの試算によれば2025年度の企業倒産は相互関税交渉の各種シナリオにより1万489件~1万687件に増加すると見込まれます。

また「コロナ借換保証」の返済本格化も注視すべき要因です。同制度利用事業者は2025年2月末時点で約30万件、約7兆円にのぼり、このうち約8割が2年以内の元本据置期間とされており、2026年にかけて返済開始のピークを迎える企業が多く、債務履行できないケースの発生が懸念されます。

景気の遅行指数である企業倒産の特性から、「トランプ関税による直接・間接の影響を受けた倒産多発」への警戒が必要です。

*本記事は東京商工リサーチ『2025年4月の全国企業倒産828件』,帝国データバンク『倒産集計 2025年 4月報』 を基に作成されました。

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